5.《ネタバレ》 「わたしが女の子じゃなくても」と言われたら、「え?きみホントは男?」と思うものではないでしょうか。吸血鬼という答えは絶対出てこないと思うのですが。ここは率直に「わたしが人間の女の子じゃなくても」と言うべきでしょう。
「ホントは12歳どころか200歳の吸血鬼」という答えが前提の問いなのでしょうが、この前提にほとんど焦点を当てていないので、象徴的な台詞というより、ピントがズレた台詞という感じがしました。
それと、画面が暗いのがよくない。
せっかく冬で雪が降っているのに、雪すら灰色に汚れているような鬱屈したイメージしか伝わってこない。冬・雪という、ストーリーに重要な小道具を生かせておらず、惜しい。
ホラー色を出そうと頑張ってますが、ホラーじゃないし(全然こわくないもん)。ならば、少年がいじめを受け孤独だろうと、少女がバンパイアだろうと、それとは関係なく自然は美しい。そういう世界を描いた方が、映画の質は上がったのではないでしょうか。
少女バンパイアも、フツーの可愛い女の子が実はバンパイア、という意外性を狙ったのでしょうけど、それもなんだかなぁ…。
200歳も生きてきたバンパイアなら、それらしくミステリアスだったり現代とミスマッチな雰囲気だったりするのではないでしょうか。そして、そういった部分がストーリーの説得力を増し、作品を盛り上げるのではないでしょうか。
クロエで客を惹きたかったのでしょうが、可愛い女の子が裸足で雪の上を歩いていて、バンパイアに変身すると怖いのよ、とこれだけでは…。
無名でも、もっとミステリアスなタイプの女優を使った方がよかったと思います。
ラストも、少年を仲間にするでもなく、新しいシモベ扱い。少年が疲れた老人になったころにまた新しい少年のシモベを探すんでしょうね…としか思えず。
ホラーとしてもラブストーリーとしても、中途半端な作り方でした。残念。