1.向井理と中村優子が喫茶店で向かい合いつつ過去に遡るわけだが、
そこで語られるエピソードの大半は向井だけが知るものだ。
接点の少ないこの二人の回想物語という形式が、まずチグハグである。
おまけに、現在と過去を幾度も無意味に往還させる、回想の回想まで採り入れる、と
ドラマの停滞感が半端ではない。
自転車もキャッチボールも、なかなか映画として機能しない。
ようやく後半、夜明け前の土手のロケーションが現れて、映画の体裁となる。
風に草が靡く中、ショートヘアの早見あかりの後ろ姿が強く印象付けられる。