2.《ネタバレ》 例えとしては、さる方の表現を借りるなら
「スペシューム光線を打ちっぱなしのウルトラマン」みたい。
手始めに各人のアクションを順々に見せていく1ショットなど
児童向けの日本製特撮ヒーローものそのままだ。
神経症的に画面を動きと物量で埋め尽くし、視覚効果で押しまくって全編クライマックス化を図る。
あの大人数の見せ場をバランスよく配置して各キャラクターを立てねばならないのだから作り手も大変だろう。
いろいろと苦心しているのは良くわかるが
案の定、各キャラクターが入れ替わり立ち代りの飽和状態でシーンも裁断され、感情も持続しない。
緩急はつけたつもりでも、メリハリがある訳ではない。
クライマックスも『1000年女王』の関東平野レベルでは逆に
小ぢんまり感のほうが強くなってしまっていないか。
その戦闘の中、暗い屋内でのジェレミー・レナーがエリザベス・オルセンを励ますシーンが光る。
弾着跡の穴からの一条の光はジェレミー・レナーにだけ当てられていて、
エリザベス・オルセンの方はまだ暗がりの中にいる。
こういうちょっとした演出がその後の扉を開ける彼女のアクションを引き立てるのだが、
それも結局は単発的になってしまうのが惜しい。