1.《ネタバレ》 白石晃士監督の著書『フェイクドキュメンタリーの教科書』で紹介されていた為、鑑賞したものになります。モキュメンタリ(フェイクドキュメンタリ)・ホラーとしてはひとつの嚆矢とでも言うべき作品で、確かにのちの『ノロイ』とかにはかなり似通った質感ですよね(+私もギリギリこーいう雰囲気のTV番組に親しんだ世代なので、コレもギリギリこーいうのもリアルみを持って受入れられる…という感じではあります)。で、ホラーとして怖いか怖くないかで言えば、率直に多少怖かった・不気味だったという箇所は在ったと思うのですね(⇒ズバリ、あっちゃこっちゃに映り込んでる白い服の女の辺り)。全体の流れ自体もシンプルで分かり易く、かつそれなりに興味を持って観てゆけるので、結論的にはそんなに悪い作品ではねーかな…とも思うのです(今なお)。
ただ、やはり時代的なコトもあってかホラー的テクニックの部分は(今観ると)随所でかなり稚拙だと言わざるを得ません。特にモキュメンタリ・ホラー的にはどーしても終盤の大騒ぎのカメラワークとゆーか、全体的にモ~何処から誰が撮ってんのか?て(完全にカット割った)映像をコレも矢鱈と細かく編集・継ぎ接ぎしてるってのは端的に極度に頂けないですよね。あとは細かい点として、たぶん一番の主役的なレポーター役の女優さんの演技がごく劇映画的(=Nonドキュメンタリ的)だったのが気になったのと、オーラスで盛大に血ィ吹き出してブッ倒れちゃったアイドルちゃんがその後どーなったのか定かにならない…とかも気になってますよね。その辺、好い意味ではこの30年のホラー映画の大いなる進歩が感じられる(⇒一方…)とも思ったりします。
とは言え、重ねてそんなに悪くはない作品だしホラー映画史的な意味もあるし…(一点足そうかな…)とも思ったのですが、ソコでエンドロール後にどー見ても要らないモンがゴテゴテとくっつけられて嵩増しされていたコトの激・イライラを重く見て(⇒ワタシ、映画は「絶対に」最後まで観る人なので)評点は据え置きとさせて頂きます。無念。。