3.《ネタバレ》 ミシェル・アザナヴィシウス監督はかつて007のパロディ映画を撮ったり、
サイレント映画へのオマージュ『アーティスト』でアカデミー賞を受賞するなど、
映画についての映画を描いてきたのに、リメイク版ではそれが上手く活かされていない。
思うに保守的で思い切りの良さに欠けている、オリジナリティがなかったことが露呈されている。
オリジナルを見ている人は仕掛けを知っているわけで、
「日本でヒットしたゾンビ映画(劇中劇)のリメイクを撮る」というコンセプトの中で新しい仕掛けを期待していたはず。
やっていることはオリジナルの設定と物語をなぞっているだけで、リメイク版で変更・追加した部分が空回りしていた。
これが作品のテンポと切れ味を鈍くしている。
家族ドラマとしても希薄だ。
仏実写版『シティーハンター』のスタッフだったら、オリジナルを尊重しつつも革新さを出せたかと思うと残念。
いっそのこと、韓国リメイクやハリウッドリメイクも作って、
シリーズに登場してきた俳優たちが一堂に会する展開くらいは欲しい。