2.シュールなオープニングと、街中をベッドで走るシーンは良かったですね。当時の空気感が伝わってくる、あの時代にしか作れない独特の雰囲気が懐かしく感じられました。60年代に「ポップ」と呼ばれた風潮の代名詞的なシーンだと思います。そんな時代に生きる若者を年寄りが批判する。このコントラストがストーリー全体を引き締めて、暴走気味で崩壊寸前の展開をどうにか防いでいたように見えました。
ただ、評価できるのはそこくらい。なんだか、当時の若者の理解不能なノリを、勢いだけで映画にしちゃったような印象でした。映画作品を楽しむというより、自分が「子供だった頃の時代の雰囲気を懐かしく思い出すための材料」としてなら、まぁ観て良かったかなぁ・・・という程度の映画だと思います。この映画を観ていたら、街中やテレビで「ハチのムサシは死んだのさ」が流れていた頃の様子が頭に浮かんできました。そういえばその頃、日本でも似たような映画やドラマが作られ、テレビなどで目にした記憶がありますが、今から思えば、この映画のサルマネだったのかも・・・?