1.《ネタバレ》 不倫関係にある実業家の妻と鑑識の男が共謀して、邪魔になった実業家を陥れるために実業家と法廷で揉めている第三者を殺して、その罪を着せてしまおうというこのシリーズでは今までなかったような犯行内容は良く、コロンボも最初は真犯人ではなく、実業家を疑っていて真犯人に気づくのも今回は遅いという前半の話の展開は面白い。いつにもましてコロンボがどこで真犯人に気づくかに興味がいくわけで、そこに注目して見ていた。後半のバーニーの店でコロンボが二人と会っているシーンの鑑識の男の何気ない行動でコロンボが真相に気づいた(実業家の妻と会うのに鑑識の男の同伴を求めているが、これくらいは目をつぶろう。)ときには見ているこちらも思わず安堵した。あとは証拠で二人を追い詰めて解決するだけ。ハイ、解決。エンドロール。と、いつものように解決シーンで終わっていれば良かったのだが、その後、バーニーに今回の事件について説明するシーンがあり、これが完全に余計で、このシリーズらしさがこれで失われてしまっているし、こんなシーンを入れるなら今回の話は最初からコロンボの回想形式にでもしたほうが良かったんじゃないかと思えてくる。(もっともそれじゃあ今度は倒叙ものとして成り立たなくなるが。)せっかく今回は面白く見たのにこれで評価を下げてしまったのが残念。作品としてはこれまでシリーズに何本か出演したピーター・フォークの妻が晴れて犯人(計画立案者)を演じているのがみどころ。しかし、日本語吹き替え版では実行犯となる鑑識の男の吹き替えを2時間ドラマのスター俳優の一人である船越英一郎が担当していて、吹き替えだとこっちのほうがみどころ(ききどころ?)かも。