13.《ネタバレ》 小悪党が実刑をくらってジタバタするお話。
この「小悪党」って設定は、たぶん「あなたも一歩間違えば同じ運命になるかも」と共感させるためなのでしょうけど、アメリカ人にしか通用しないんじゃないかなぁ。
「ヤクの売人」って、日本では相当なワルだし。
一般人からすると、刑務所へ行ってひどい目にあって当然なワル。「一度でも奴を諌めたことがあるか?!やめろと言った事があるか?!」なんてヌルい話じゃなくて、そんなワルとつきあう一般人はいないってのが日本社会だから、この映画は日本ではありえない設定なワケです。
主役の彼女が幼友達に、「奴が他人をヤク中にした金で贅沢してきたんだろ?!」と責められるシーンがありましたが、まさにそう。「彼が刑務所へ行ってしまう…」って泣かれても、ねぇ…。
「刑務所へ行ったら、俺は終わりだ」って落ち込むなら、刑務所へ行くような事、すんなよ。しまいには八つ当たりでNY中に毒を吐く始末。…って、自業自得なのはわかった上での言葉なワケで、そこが救いなわけですが。
E.ノートンのルックスを、どうしても「カッコイイ」に分類できないワタシには、彼のいいところは全く伝わってこず…冒頭の犬を助けるシーンも、ただの気まぐれ程度にしか感じ取れず…女子高生にタバコの火を借りるのがなれ初めとか、ありえん…「欲張らずに適当なところで満足して、大金は株につぎ込めばよかった!そうすれば遊んで暮せたのに…!」ってオマエ、まったく反省してないな!!一体どーやってこの男に感情移入をしろと??!!(泣)
ラストの逃亡する幻想だけは、よかったです。
悪党だって人間。自分が罰を受ける段になって、ようやく「小さな幸福を作ればよかった」と気づく。かなわぬ夢だからこそ、美しく感じるのでしょう。観てるコチラもちょっと涙が出ました。現実不可能な夢だとわかっているから。
でもさ、たった7年じゃん。20年くらったわけじゃないんだから、そこまで大げさに悲劇ぶるなよ。と思ってしまうのは、アメリカの刑務所の実際をよく知らないからかもしれませんが。
罪を償って出直してこい、ノートン!(あ、モンティか)