1.群馬県の全額出資製作映画。小津映画のような風景の捨てカットが多く、群馬の絶景シーン集でもある。意識的な美しいシーンと、寓話のような物語からは、見た目は全然違うけれども、パラジャーノフの「ざくろの色」とかを思い出してしまう(水車の中の老人とか)。これは、いってみれば群馬県コスモロジーなのだろう。萩原朔太郎も出て来る。しっかし、この、聞いていて背中がむずがゆくなって来るような、高校の文芸部員の書いたようなシナリオは、なんとかならなかったのだろうか。「眠る男」の象徴するものも、あまりに露にすぎる印象がある。美しい映像がもったいない気がした。