3.《ネタバレ》 仲良し5人が高校から社会に出てそれぞれの人生を歩んでいく。
「それぞれの都合」で子猫がたらい回しにされ、あんなに仲良く結束して見えた5人の間にも「それぞれの都合」が入り込んで亀裂が生じる。
そこにはある種のエゴがあるが、それがあるからこそ人は一人で立っていかなければならないのだろう。
その上でぶつかったり折り合いをつけたり、互いを認めあったりして、相手との関係も新たに構築できるのかもしれない。
「それぞれの都合」に振り回されたかに見える子猫が、強かに生きていくことを願う。
仕事や家庭への不満、孤独感、コンプレックス、いつも一緒にいた友達の間に生じる環境や価値観のズレなど、誰にでも思い当たりそうなことが等身大に描かれる。
ただ、それが心を揺らすような物語に昇華できていないような…。
青春時代のスケッチを淡々と見せられているようで、「そういうのあるよね」「わかるわかる」とは思えるが、それ以上に訴えかけてくるものがなかった。
ラストも消化不良。
女性監督が脚本も兼ねて作った映画で、この年代の女の子の微妙な心情を細やかに織り込んでいて、やっぱり女性向けの作品だとは思う。
ペ・ドゥナはさすがの存在感。いい役者だ。