1.《ネタバレ》 「それほど愛し合っていたわけじゃない。でも、いつも一緒だったんだ。」
いまやSirとなったマイケル・ケイン主演で、60年代に公開された『アルフィー』のリメイク作。女性たちの設定はさすがに変化したものの、主人公アルフィーのキャラクターはそのまんま。40年の時を経ても、相変わらず彼は浅はかです。今回アルフィーを演じるのはジュード・ロウ。彼がそんなにいい男かどうかは置いておくとして、『クローサー』のダンといい、こういうガキっぽい役は見事にはまります。
次から次へ、ある女性のある部分だけを求めてしまう彼。安らぎだとかゴージャスさだとか、女性の"アクセサリー"を愛し、欠点を見つけると簡単に捨ててしまう。気持ちは分からなくもないけど、そんなことしていては「赤い糸で結ばれた」女なんて見つからないだろうに。しかも、彼は運命の人が自分を変えてくれると信じている。
自分を変えられるのは自分だけ。いい歳してそんな当たり前のことを知らないなんて、あなた。それはモテてたんじゃなくって弄ばれていたんじゃないの?(ニッキーとの関係は共依存だし、リズにとっては単に若いツバメの一人でしかなかったし。)
アルフィーは観客にだけ本心を明かす。
これが結構ひどいこと言っているんだけど、妙に共感できるから余計にたちが悪い。ラストシーン、誰からも見捨てられて、彼は初めて人生について考える。ついでだから一度決めたら、そう簡単に相手を捨ててはいけないことにも気が付いてくれればいいけど。お互いの苦しみを理解し、支えあったマーロンとロネットみたいに。