7.《ネタバレ》 ヴィン・ディーゼルには去られたものの、予算もスケールも前作よりアップし、更なるアクション大作を目指した第2弾。・・・のはずだったのですが、本作は完全に期待外れの出来に終わっています。私は前作をまったく評価していないので、本作についても過大な期待をせずに鑑賞したのですが、それでも本作には楽しめる点がほとんど見当たりませんでした。。。
コードネームxXxは使い捨てであり、ミッションの都度、適任者が任命されるという新機軸が本作より導入されています。今回のxXxはストリート育ちにして元ネイビーシールズ隊員であり、上官への反逆罪で服役中のダリウス。ダリウスが服役するきっかけとなった事件にはギボンズも当事者の一人として居合わせていたのですが、片やダリウスは服役中、片やギボンズはNSAの現場指揮官にまで出世と、この時点で設定に不整合が生じています。脱獄したダリウスはかつて仲間だったストリートのブラザー達を集め、白人エリートが起こそうとしているクーデター計画の阻止に走るのですが、このあらすじの時点で、この映画がどの観客層を取りに行っているのかが見え見えになっているという点でもマイナス。ストリートの黒人が拍手喝采する内容を狙いすぎて、少々いやらしくなっているのです。。。
ダリウスを演じるアイス・キューブは『ゴースト・オブ・マーズ』で宇宙の荒くれを演じた人物であり、B級映画においてはなかなかの存在感を放っています。悪人っぽい顔つきも良く、「毒をもって毒を制す」というこのシリーズのコンセプトは、彼の存在によって前作以上に立っていると言えます。ただし、彼の体型はずんぐりむっくりで手足が短いため、立ち姿やアクションがまったく決まらないという致命的な欠点を抱えています。また、ストリートのワルだった、シールズ時代には名狙撃手だったという設定上の経歴もアクションにはまるで反映されておらず、設定と物語が正反対の方向へ進んでいくというマズイ脚本となっています。。。
冒頭をピークとして、以降は図ったように盛り下がっていき、クライマックスに待っているのは雑なCG丸出しでやる気の感じられないチェイスシーン。『007/ダイ・アナザー・デイ』のリー・タマホリも、本作ではやたら雑な仕事をしており、演出のレベルの低さにも問題を感じさせられました。