1.《ネタバレ》 最後の結末だけ憶えていたが、他は殆ど憶えていなかった。まだ高校を卒業したての頭の悪い青年だった私には、海燕と奇跡が繋がらなかったのだ。
劇中で、海燕はすばしこいという説明はあるが、海の上を歩いたとされる聖人ペテロになぞらえて、英語ではペトレルと名付けられた旨の説明を入れるべきだった。まあ、パンフ読めば良かっただけだが。
さて、それが分かったところで、面白みがないのは変わりない。最後の「奇跡」を気持ち的に受け入れるには、ジョーへの感情移入が出来る事、あるいはもっと何かを求める気持ちが感じられること、フィリピンの地でのそれを含む逃亡の旅が、もっと波瀾万丈である事などが、必要ではないだろうか。
とは言いながら、若者の海への投石で始まり、主人公も劇中悲しみをぶつけるように海に石を投げたこの映画は、最後に自分自身を海に投げて終わるのか、綺麗な海に飛べてよかったな、などと思ったりもするのであった。