1.《ネタバレ》 それなりの衝撃は確かにあるんだが、ブラジルと聞くと、ロナウジーニョとアセリノ・フレイタスが浮かんでくるような自分にとっては、縁遠い感じがしてしまうのも事実。丁寧に作っているのは伝わってきて、ブラジルの司法制度や警察制度の崩壊は理解できたのだが、少なくとも犠牲者が1人出て命が失われてしまっている以上、そういう切り口が正しいかどうかは疑問。特に中盤以降の、国が悪い、警察が悪い、親が悪い、というのを前面に押し出し、犯人への同情のインタビューだけを意図的に流し、犯行を正当化させるような作りは好きになれない。ただ、切り口がどうあれ、このような映画が世に送り出される意義は確実にあると思う。