2.《ネタバレ》 なんだか、光子以外はみんなアホ丸出し、という印象で、特に後半の、光子をめぐっての夫婦の会話は、滑稽さを通り越して嫌悪感を覚えました。しかし、若尾文子がだんだんと魅力を発揮してくれて、この作品はそれだけで満足です。特に、胸元をチラつかせながら「さあ、口を開けてぇな」と薬を飲ませるドSシーンには思わず興奮!(笑)
でもやっぱり、映画全体の印象としてはイマイチ。解説のようなセリフが多過ぎて、映像としての工夫や、役者の演技力を生かす手法が、もっと他にあったのでは?と思います。 エロティシズムを表現するためなんでしょうが、序盤の光子の中途半端な裸は、ただのサービスカット程度にしか見えず、脱がさなくても淫靡さを表現するような方法などいくらでもあるのだから、工夫してほしかったですね。
また、最初に「観音様をイメージしたデッサン」のシーンを見せておいて、最後は「光子観音様として締め括る」なんてのは、ププッ!と吹き出してしまうくらい、トホホな演出でした。
原作は読んだことがないのですが、どうせなら、光子と夫婦の狂気をもっと強調した方が、作品として面白くなったかも・・・という気がします。