3.《ネタバレ》 すごく残念な感じがする。
部分的にいいところもあるのに、冗長な演出と編集がブチ壊しにしている。監督にセンスが無いのだろう。
これを失敗作にしている決定的な原因は、日本人青年3人のキャストミス。
こいつらは日本男児の最大公約数的なキャラクターでなければならないわけだ。
小橋とか柏原とか、どっからどうみても疲れた日本のサラリーマンではないだろうが。
小橋のジャニーズ顔に細っこい首だとか、柏原の通り過ぎた鼻筋に日本人離れした彫りの深さが、「こいつら」を遠いものに感じさせる。ダメだ。何を考えているんだキャスティングでー。
たぶん、尺に比べて脚本が薄いといった事情で、演出編集はひたすら冗長、だから最初のうちは笑ってしまうが、次第に「次行けよ、次」という気持ちになる。
誉めたい箇所。冒頭のプレスリー衣装の白人男性の腰の振りと歌の滅茶苦茶加減が爆笑、村野武範は意外にも食いしん坊なだけでなくコメディセンスもあった(この人は間の取り方がよい)、藤岡弘が村野との電話で条件提示をたたみかけるテンポが絶妙で爆笑、デーブ・スペクターはいつものように笑えた(私はけっこう好き)、キッチュの「外人予報」が面白かった(でも、ちょっと長すぎる)など。
柏原が嫁の妊娠に「また日本人が一人増えるんだな」と言うが、その瞬間私は村上龍「五分後の世界」を連想してしまった。…あそこでは純血日本人が最も珍重されることになっている。
失敗作なのだが…不法滞在している外国人を強制送還する前に、嫌がらせに見せる、ぐらいの利用はしてもいいのではないだろうか。…二度と来るまい。