1.《ネタバレ》 交通事故というのは毎日の様にニュースで報道されているので、運転者にとって、またそうでない者にとっても身近な存在。よって感情移入させるという点では比較的容易いと思われる。この映画は前半に加害者、被害者(の親)、双方の内面を描いているが、どちらの感情も伝わってくる。ホアキン、ラファロと渋いキャストで見応えもある。だが話が進むにつれてサスペンス色が強くなってくる。二人が徐々に近づいていく様子が中心になるので、せっかく入り込んだ感情がどんどん離れていく。サスペンスとしての作りが浅いのも原因だろう。ラストに山場はあるが、そこに辿り着く頃には完全に気持ちが冷めていた。全体としてみるとサスペンス部分と内面を描いたドラマがうまく融合出来ていないと感じた。好みのキャストだし、良かった点もあるが、見る側のスタンスをころころ動かしてしまう映画は好きじゃない。