1.《ネタバレ》 (ネタバレあります。ご注意を。)双子の兄弟、スタンリーとサイモン。兄のスタンリーは投擲マシンマニア(!)で、弟のサイモンは知的障がい者という設定です。スタンリーは19歳の時、弟と両親を手にかけ、以後殺人鬼に変貌した。弟の人格を演じながら旅行者を狩り、ミイラとなった両親と共に食卓を囲む。スタンリーがヒロインを気に入ったのは、彼女に母親の面影を見たからです。頭をカチ割られたスタンリー。彼が死ななかったのは、頭蓋が鉄のように硬かった(あるいは本当に手術で鉄板が入っていた)ため。冒頭の8ミリフィルムの真相が明かされます。殺されかけた幼児は、サイモンではなくスタンリーの方だった。すると以下のような疑問が湧く。母親が言うようにサイモンは本当に純真無垢だったのか?スタンリーは家族を殺したとき何を感じていたのか?兄だけを悪者で片付けられない隠れたドラマの可能性に気づきます。ダメホラーの典型とも言える無駄アイテム「馬に乗った幽霊」にも意味があるのかも。ところが、本作のテイストはあくまで「B級スプラッター」。それ以上でも以下でもありません。目に付くのは体を切り刻む残虐描写と、毎度お馴染み“弱すぎアホ過ぎ”の犠牲者たち。鍵となる冒頭のフィルムも、「カメラマンは誰やねん」とツッコミたくなる。ある意味、バカ映画として潔い姿勢と言えますが、折角のドラマを活かさないのは勿体ない。なお、オチは流れ的には納得出来ますが、悪趣味過ぎて個人的にNG。マイナスです。でも「サイモン・セズ」ゲームの存在を本作で知ったので加点します。