1.《ネタバレ》 すごい映画なんだけど、とびぬけて面白くはない。青春ラブバイオレンスとでも言えばよいのか。でも、4時間あればクロスオーバーなものになるのは当たり前かも。長すぎて、評価するのが難しい。ゆら帝聴きながら、4時間観てると脳も溶ける。
まず良くない点としては長すぎること。この映画は長さに関して完全に開き直っているから、言うのは野暮かもしれないけど、あえて「長い」と言わせていただく。だって4時間ってすごいよ。最初の1時間は本っ当に退屈で、この映画を勧めてくれた友人に電話して、続きを観るべきか一旦確認しようと感じたくらいだった。主役3人の生い立ちはもうちょっとうまくまとめられると思うんだけど、監督は全くまとめる気がないからなあ。あとは中盤~終盤のユウがAV業界で働くシーンとか全部カットしても良いと思う。コイケが介入してくる中盤は面白いが、終盤の宗教関連の部分は陳腐でだらける。ラストの展開も甘い。
次に悪いところはB級なとこ。サソリの喧嘩シーンとか見ててこっちが恥ずかしくなる。それにコメディシーンはわざとらしいし(邦画全般に言えることだが)、下手なドタバタに堕しているし、同じネタの繰り返しだし。やたら勃起シーンと流血シーンが多いのだが、血の色も酷い。勃起で笑えるほど子供でもなし。
次はパンチラの盗撮について。この映画は最後まで盗撮を否定しないし、映画の中では結構重要なテーマなんだけど、本当にそれでいいんだっけとずっと感じていた。個人的に全くパンティに興味がないせいもあると思うんだけど、嫌がる女性がほとんどなんだからやらないほうがいいんじゃないかなあと思いながら観ていた。何と言うか、盗撮に対してあんまりテンションが上がらなかった。
要は、この映画の悪いところは確信犯的にやってるというのは分かるんだけど、ちゃんとした「映画」を作ることができる監督なのかが分からないのがもどかしい。タランティーノは傑作をいっぱい撮った後で、「今はこんなのが好きで、こんなのがやりたいんだよ」って「グラインドハウス」とかで表明していると思うんだけど、園監督にはそこまでのことができるのか正直分からない。「あえて」感はたまに出すから面白いんだと思う。
紙幅も限られているので、最後に一つだけ良い点。ヨーコ役の満島ひかりが良かった。めっちゃかわいかったし、演技も良かった。最後まで観られたのは彼女のおかげだ。