2.《ネタバレ》 ウエスタンにちょっとだけサイエンス・フィクション的テクノロジーを融合した、近未来ウエスタン、でもそれだけじゃない。呪術的、霊的な世界観をも取り込んだ、サイエンス・ファンタジー・ウエスタン。
全体的に言うと、もっと面白く出来たはずだと思う、という意味で、残念。
物語中頃までは、魔術的なものも含めて、面白い復讐譚になるかと思ったが、せっかく死者と話ができるのに、ただの道案内で、設定が生きていないのが残念。それを物語の決着に重要な意味を持つくらいに活かすと良かった。
復讐の相手の若い右腕的な暗殺者が、あまり期待に応えた働きをしないのも残念。
最初に強奪した、鉄の質感の美しい巨大砲身と、最後に出来上がった連発大砲のスケール感がチグハグで、リアリティがなく、これも残念。
最後の船での決戦もちょっと物足りない感がある上、光る弾の給弾を止めてから、逃げ出す部分の描写(暴発が起こるのをジョナたちが知っていたのか?など含めて)が雑で、残念。
エンドロール最後に歌われる、「自分は反逆者。合衆国には愛情も興味も無い。負けたけど、悔いはない。自分の行いに悔いはない。」という歌が、とてもいい。いかにも兵隊が行軍中に歌いそうな雰囲気で、あるいは、兵隊崩れの戯れ歌のようで。ジョナの気持ちをよく表していると思う。それだけに、劇中最後の「困ったことがあったら、オレを探せ」というセリフのチグハグ感が、また残念。