3.《ネタバレ》 2分前までの話しは、じっくりと緊張を描写していて、面白かったのだがなあ……。
その後の展開が何だか、とてもお粗末な事件だった。継続的に狙いをつけていた狙撃兵が、壁の上から顔を出しざまに撃った犯人にまんまと狙撃されるとか、観衆のパニックを心配していた警官が、2分前に投げやりに現場に全て丸投げしちゃうとか。
そして、まんまと観客を撃たれてしまった後の、観衆のパニック具合が、ちょっと嘘くさい感じは否めない。どうすると、あんな所にぶら下がることになるのやら。
事件は、詳細が全く不明のまま、犯人射殺。曰くありげに描かれていた何組かの観客は、結局何も関係が無いっていう、あまりにも斬新な仕掛けに驚かされる。その何組かの観客たちを、一生懸命観ていた我々にとっても、もちろん劇中の刑事たちにも、何にも判らないしょーもなさが残る事件になったわけだ。
何も要求しない、一切交渉の余地のない乱射犯なんて、全く生きた凶器だが、こんな事件に対峙した刑事役のチャールトン・ヘストンが、後に全米ライフル協会の会長として、銃規制に反対することになるのは、皮肉なことだなあ。と、日本人としては思わざるを得ない。