3.《ネタバレ》 真面目そうなイケメンなのにセックス依存症の男。
バーで出会った女と帰りに野外セックス。
オフィスのパソコンはエロ動画でいっぱい。
家で一人の時はオナニー三昧。
果てはゲイとの性行為に、女二人との3Pまで。
そうしなければならない男の深い哀しみは役者の熱演で伝わってくる。
心を通わせたい女とは関係が持てず、まるで何かトラウマを消し去るための手段としての性処理に没頭しなければならないような追いつめられた状態。
各種依存症は強いストレスから逃れるためだったり空虚さを埋めるためだったり心理的防衛機制が働く場合が多い。
ところが、なぜそうなったのか肝心なところが描かれておらず、観客に委ねて投げっぱなし。
あえて描いていないのだろうが、そういう映画は見ていて消化不良になる。
妹とのやりとりから、SHEME(恥部)は近親相姦か親からの虐待か、そういった類のものが推察される。
会話の端々から兄と妹の通常の関係を超えた結びつきが感じられる。
「私たちは悪い人間じゃない。居た場所が悪かっただけ」
妹の言葉が示すように、二人の成育環境に問題があったことは確か。
両親が登場せず、妹のリストカット癖から兄妹揃って心の問題で苦しんでいるのがわかるので、家族関係が崩壊していたのだろう。
その辺りをしっかり描き出したものが見たかった。