1.《ネタバレ》 かなり評判の良い恋愛映画だったので気合を入れて観ましたが、これが全く自分のストライクゾーンに入らず。韓国でもかなりの男性観客が「これは俺の映画だ!」とシンパシーを感じて大ヒットしたとのことですので、どれだけ主人公の心情にオーバーラップ出来るのかが大事になってくる作品なのだと思います。
どうしても大学時代の主人公の行動に納得できなかったです。ヘタレて独りでに失恋したと思い込んで、終いには「もうボクの目の前から消えてくれ」と宣う様には勝手ながら激怒。彼女も彼女で初恋の相手をいつまでも想い続けていて、主人公を訪ね建築を依頼する行動にも「なんだこの女?」としか思えませんでした。個人的に初恋の相手とか昔の恋愛に全く執着しないタイプの人間なので、感情移入できなかったのかも知れません。昔の付き合っていた相手が自分を訪ねてくるとか想像するだに勘弁してくれと思うし。
後は画作りがかなり苦手なタイプでした。運良く監督の舞台挨拶を見れたのですが、監督は岩井俊二の映画にかなり影響を受けて映画の勉強をしたそうです。言われてみれば納得で、淡い光のライティングや、屋上から捉える都市の風景、等は実に岩井俊二の映像美に近いものを感じます。構図も非常に凝っていて、あらゆるモノを画面の端と端に配置してシネマスコープ的に対象を捉えます。但し、そういう凝った映像のせいで、余計に主人公が等身大のキャラ、自分の分身には見えず、全く違う世界の映画の住人なんだと思ってしまいました。