1.《ネタバレ》 タイトルは『ボクがロボコップになった理由』とでもした方がいいんじゃないかな。
男子中学生がウハウハ喜ぶようなアクション!バイオレンス!グロ!なんてオリジナル作品のノリとは一線を画したいと思ったんでしょうかねぇ。ちょっとお利口さんな、ハイブロウな映画を目指したのかもしれません。
ドラマ中心でアクション控えめ。はい、“ロボコップ”なのに。
お話しは「悪がはびこるデトロイト」なんて部分はごくごく小さくして、オムニ社がいかにロボットによる防衛産業をアメリカ国内で普及させるか、そのためにいかに法や世論に斬り込むかが描かれ、そしてその犠牲となって心を奪われ家庭を省みない企業戦士となってゆくマーフィの悲哀が描かれる訳です。当然、大して面白くありません。
オリジナル作品に比べるとマーフィがロボコップ化してゆく部分に長々と時間を取っております。最初はマーフィの人格が存在していて、そこから徐々に人間性を奪われてゆくという、オリジナルとは逆の流れに多くの時間をかけているのですね。当然、大して面白くありません。
で、塩分控えめ風なアクションシーンは画面がまるでゲームのようで、それも最近のアクション映画に見られるようなFPS、TPS風ではなく、『バーチャコップ』のようなレールガンシューティング風。当然、大して面白くありません。
お馴染みの曲は今回も使われていて、ところがなんだかとてもハンパな使い方で、いや、もうちょっと鳴らしてくれてもいいんじゃない?という感じで。
オリジナル作品はバイオレンス色強すぎであんまり好きじゃなかったりするのですが、リメイクなこちらは“ロボ”な“コップ”の映画に一体何を求めちゃったんだろう?みたいな感じで、なんだか湿った花火みたいな映画でした。
サミュエルだけ、ちょっと面白いキャラでしたけど。