1.《ネタバレ》 まあ良くある海洋モンスターものの変種バージョンといったところかな。海辺のスモールタウン、独立記念日というフェスティバル、予兆があっても楽観視して無策の首長、『JAWS』以来のお約束事をきっちり守っているので、その点では新鮮味はなし。唯一の工夫はB級低予算映画お得意のPOV形式で撮っているところだが、驚くべきことは監督がバリー・レビンソンだということ。『レインマン』のオスカー受賞監督が撮るような映画じゃない気がしますが、どうなんでしょうかね。考えてみるとたまたま最近観たロジャー・コーマンの『モンスター・パニック』というクソ映画とモンスターの種類が違うだけで展開はそっくりで、さすがに本作の方が丁寧に撮られていますね、そりゃ比べること自体が失礼ってもんですね(笑)。本作のモンスターはワラジムシの変種のような形態の寄生虫ということですが、成虫になったお姿はどう見てもゴキブリにしか見えない。こいつが大量発生する理屈は環境汚染による生態系破壊としているが、ステロイドを成長促進剤として使っている養鶏場から湾に流れ込んだ大量の鶏糞が原因(の一つ)とか、もっともらしいけどけっこう雑な設定です。モキュメンタリー形式で撮るならこういう細部に凝らないといけないんですよ。尺も短いし、暇つぶしにはちょうど良い映画としか言いようがないですね。