1.《ネタバレ》 ナチスのユダヤ人強制収容所を舞台に、無念の死を遂げた息子を埋葬しようと奔走する父親の物語。特徴的なのは、映画の大部分を主人公の背中からのバックショットのみで描き出しているところだろう。常にピントが主人公に合わせているため、収容所内部の悲惨な情景がぼやかせて描写されているのだ。残念ながら、自分にはそうする意図が全くつかめなかった。ストーリーもほとんど分からないし、具体的な情景が全く頭に入ってこない。どうしてこんな手法を使ったのかはなはだ疑問だ。こんな奇を衒っただけのものでホロコーストの真実を描き出したと思っているだろう監督の薄っぺらさに、自分は怒りすら感じた。