2.《ネタバレ》 愛する家族を救うために禁断の技術に手を出してしまう科学者を描いたSF・スリラー。交通事故により最愛の家族を四人とも一瞬で失ってしまった科学者。哀しみに暮れる彼は、自らの専門分野である最先端のクローン技術を駆使してなんとしてもそんな家族を再生させようとするのだが……。主演を務めるのは人気俳優キアヌ・リーヴス。SF版『ペット・セメタリー』と言った趣きの作品なのですが、これがなんか全体的に残念な映画でありました。そう、アイデアは凄くいいんですよ、これ。失われた家族は四人、でもクローンを作る機械は三つしかない。主人公は仕方なく一番下の娘を居なかったものとして、彼女の記憶を全員から消去して再生させる。復活した家族とともに今までと同じ生活を営もうとする主人公、でも家族は拭いきれない違和感を感じはじめ……なんてすんごく面白くなりそうな設定じゃないですか。でも、残念ながら本作はそうはならない。きっと脚本が練られていないせいで突っ込みどころが満載なせいでしょう。「そこ、もっと丁寧に描くべきでしょー」や「え、そこをもっと膨らませてくださいよ」ってところが多すぎて、いまいち盛り上がらないままだらだらと終わってしまいました。例えば、自分たちが再生されたクローンであるという事実を終盤まで秘密にしておいて、それまでの平穏な生活に徐々に違和感を感じ始める妻の視線で描くとかしたら、絶対もっと面白くなっただろうに(家の中に残された手掛かりを辿っていくと、実は自分が忘れてしまった末の娘が居た!なんて終盤で判明したら、絶対観客の度肝を抜けたはずなのにね)。と、素材は凄く良かっただけに、なんとも勿体ない作品でありました。