1.《ネタバレ》 近代化や開発の波に取り残され、加速化する人口減少なども相まって、世界から今にも忘れ去られようとしている村、バクラウ。インターネット上の地図からもその存在を消され、警察や行政からも見捨てられたこの村にある日、正体不明の部外者が訪れる。通りすがりの旅行者を名乗る彼らだったが、その日から原因不明の危機が村を襲うようになるのだった。給水タンクに撃ち込まれる銃弾、村を監視するかのように空を飛ぶドローン、そしていつの間にか惨殺される村人たち……。いったいこの村に何が起こっているのか?だが、村の住民たちも黙ってはいない。何故なら彼らは誇り高き革命戦士の末裔だったからだ。隠し持っていた銃を手に取り、自らの村を守るため立ち上がる住民たち。彼らの命を懸けた戦いの幕がいま、切って落とされる――。南米の荒れ地に囲まれた小さな村を舞台に、武装した村民と謎の襲撃者たちの血で血を洗う抗争を濃密に描くバイオレンス・ドラマ。カンヌで審査員賞なるものを受賞したということで今回鑑賞してみたのですが、正直僕はさっぱり楽しめませんでした。これってストーリーの面白さで見せるというより、多くの謎をまず最初に提示してその真相が何なのかを延々引っ張るというスタイルだと思うんです。謎の因習に満ちた村、怪しげな雰囲気漂う住民たち、そして彼らを執拗に狙う謎の襲撃者集団……。まあ確かに、全編に横溢するこのミステリアスな雰囲気に最後まで引っ張られて見てたんですけど、残念ながら最後に明かされる真相があまりにも弱く、肩透かし感が半端ない。こちらの想像したオチを全く超えてこず、「結局それだけのことやったんかい!!」と僕は思わずずっこけそうになっちゃいましたわ。さすがにここまで引っ張っといて、肝心のオチがこれではねぇ。もっと観客の度肝を抜くような一捻りが欲しかった。作品全体に漂うこのひりひりとした空気に+1点。