1.《ネタバレ》 <1.イラン>5:たわいのない話の後ろに、教育の大切さであったり、情報の不均衡であったり、遠すぎて肌で感じることができない政治的意思の影響であったり、子供の環境適応能力であったり、生命力であったりが感じられます。
<2.フランス>3:手紙をタイプしているときに、テレビが点けてあって、その中に911のビル崩壊映像が映っているのが、随分不自然だなと思いました。
<3.エジプト>3:USA!な人たち以外にとっては、「>>1 うん、知ってた。」という内容で、ここまでわかりやすく主人公に言葉で説明をさせると、ベタベタで深みがまったくなくなることがわかりました。映像作品と言うよりは、プレゼンテーションですね。
<4.ボスニア・ヘルツェゴビナ>3:9・11発生時の各地の反応という意味では、11作品の中で、最も作り話っぽくないとは思いますが、その分ほとんど印象に残らないというのも事実です。9・11と言えば、まずは何より映像の衝撃なのですが、みんなでラジオに聞き耳を立てているというような世界もあったのだなあと。
<5.ブルキナファソ>4:他意がなく、一番わかりやすいです。笑えますし。伝統的な武器の方が恐いし、痛そう(笑)
<6.イギリス>5:長編映画が何本も作れるような題材を短い尺によくまとめたなと思いますが、予備知識がない中での初見では、さらりと流れてしまう印象。何回か見直すと理解が深まります。
<7.メキシコ>4:生の素材を使っているので緊迫感はあります。作家としてオリジナルに作った素材はないのですが、それでも個性を放っているので、短編集の一篇としてはありかなと思いました。
<8.イスラエル>4:技術的には一番頑張っている作品で、役者も熱演しているのですが、映像が綺麗すぎて、嘘くさいんですよね。グロテスクさと緩急が足りないのかな。
<9.インド>4:テーマに沿った題材を飾ることなくひねることなく扱った作品です。面白みには欠けますが、実話に基づいてますから重みはあります。
<10.アメリカ>8:この話が9・11とどう関係するのか?この発想は凄い。そして構成力も凄い。都市の表と裏、光と影の対比が、都市の懐の深さを感じさせる。素晴らしい。
<11.日本>3:体験した戦争を語るには、第二次世界大戦まで遡らなければならない。と言うことは、その間、平和だったと言うことで、幸せなことなのですが、こと、このテーマで表現をする際には、不利に働いてしまったかなと。そう考えると、これが日本の精一杯ということで、あまりけなす気持ちにはならないのですよね。