2.ジュリアン・サンズとナタキンの美の競演とあっては、見ないわけにいかぬ、、、と思って見たわけだけれども、あんまり期待していなかったとはいえ、こりゃマズイ。まず、ナタキン演じるクリスティナに過去を告白されて聖職者になるまでの苦しみ・葛藤が伝わって来ないんだよねえ(大体、人生観が変わるほどまで愛してたんなら、現代の不倫とはワケが違うであろう、王の愛人だったことくらい許容できちゃうってもんじゃないかね?)。それはいいとしても、修行者の身になったあとのセルジョ神父は三大本能のうち、肉欲にだけ激しく動揺するわけですが、これもすごいヘン。1回目はいいとして、2回目マチルダに誘惑されて「あなたは悪魔だ」なんつって誘惑に負けるのがものすごくヘン。指を切り落としてまで誘惑と闘った1回目は何だったのサ。こうなると、指じゃなくてあっちを切り落としておくべきだったね、と言いたくなる。つーか、そもそも、聖職者になる動機がまったく共感できない(描写が弱い)んで、その後、ついていくのも辛い。ナタキンも中盤以降出てこないし。神父のクセに入水自殺(未遂だけど)ってどーよ、と思うし。トルストイの原作を読むと多少は理解できるのかしらん。美男美女と衣装と音楽を鑑賞するためだけの映画でした。