2.《ネタバレ》 惜しいなあ。「傍観者の罪」という、着眼点は良いんだけど、全体的にストーリー展開が平板で盛り上がりに欠けるのは致命的。決して長い映画ではないのに、やけに冗長に感じてしまった。脚本家はインタビューで「この作品は娯楽映画だ」とか言っていたけど、観客の視点に立った「飽きさせない」脚本作りが成されているとは言えない。特に中盤までの展開がダラダラし過ぎ。
静謐な空気感の中に漂う不気味な雰囲気はあるものの、サスペンスやホラーの恐怖感としては薄味。
そもそも、あの「傍観者」達と今回の事件との関連性がまるで無いというのはいかがなものか。殺人鬼になった男の背景をきちんと描かないから、余計に不自然さが目立ち、「歴史的な悲劇を見続けて来た存在」の割には、今回はえらくこじんまりとした事件を見に来たなあという印象の方が強い。こんな程度の事件でいちいち出て来たら、世界中の殺人事件やテロ事件を見て回るのに大忙しだろ(w。あんなに呑気に見物してるヒマなんて無いぞ。
また、「傍観してちゃダメだ!行動しろ!」みたいなメッセージ性が押しつけがましい。そういうのはいちいちセリフで説明させちゃダメ。ラストも石像が崩れ落ちていくシーンですっぱり終わらせるべき。
と言うか、救われる手段があるなら、二千年も傍観してんなよ!