1.《ネタバレ》 allcinemaによると、これの公開は52年の2月、原作の連載は同年5月号までというから、原作の種明かしギリギリか或いは先行していたのかもしれない。私の時代に『銀河鉄道999』が完結前に結末を見せて話題になったが、それに匹敵する事例かも知れない。
話は大幅に端折っている、というかかなり違う部分があるし、金田一先生は洋装のカッコイイおじさんで変装までするし、色々と驚くことが多い。「さ」というダイイングメッセージを告げた次のシーンに、サスケ・サブロウ・サクライの旦那が登場した時には笑ってしまった。ミスリード面白すぎ。
それでも、このややこしい話を90分で収めたのは、ナレーションや説明セリフの多用があるとはいえ、大したものかもしれない。
横溝正史の面白さを期待すると、当然がっかりするが、彼の作品をどんなふうに料理したか、を見たい人には面白いかも。昔の人が、これや千恵蔵の金田一を見てきた事を思うと、市川崑版の金田一はさぞ完璧に見えたことだろう。
それにしても、毒蛇島奇談って何だよ。