9.《ネタバレ》 この映画の最後のオチに全ての映画を否定する言葉
『だから何なんだ』と言っちゃえばそれまで。
だけどそれじゃああんまりだし・・と思いつつもそんな言葉しか頭に浮かんでこない。
では何がこの作品をそれ程に思わせてしまうのか?
一番に思いあたるのが決定的に動機が不純だという事。
不治の病に冒された挙句、赤の他人を恨み生への執着を訴える。
これを観て多くの人間は二手に意見が分かれる。
その行動が余りにも鼻持ちならないとし極度な反抗心を芽生えさせるか
素直に共感し同情するかのどちらかだ。
私は前者の方だが、そのタイプの人間を納得させ得るには
やはり細部のデティールに凝った完全無欠な動機を構築するべきだった。
そこを考えればこの作品のオチに至るまでの杜撰なトリックが
単にびっくり箱を開けてしまった子供の感覚くらいの
印象しか与え切れていない所にあると思う。
但し低予算映画という視点で見るならばある程度の評価は出来るが
逆に言うとこれを大作級程に予算を注ぎ込んだ作品であったならば
まるで評価に値しない・・・という事で頑張って4点献上。