1.第二次大戦下のヨーロッパで一世を風靡した歌「リリー・マルレーン」の歌手、ララ・アンデルセンの自伝を基にした戦争メロドラマ。時代に翻弄される波乱に満ちた女性の半生は大変興味深い題材だったとは思いますが、中途半端な演出が全てをスポイルしてると思う。映画は単にエピソードを並べただけで、甘美な名声に酔いしれつつ、恋人と離れてしまったことを悲しみ、ナチスによる待遇には疑問を持たず、しかしレジスタンス活動を助けもするという、複雑な内面を持つ一人の人間を描けていない。わざわざジャンカルロ・ジャンニーニを招いてしまった所為か、話の視点が分散してしまった様に感じました。余談ですが、ラストのステージはアンデルセンではなく、完全にマレーネ・デートリッヒを意識してると思います、4点献上。