1.《ネタバレ》 ベルイマン作品に共通するテーマである「人間の苦悩」「精神的な病」「孤独」「愛と憎しみの共存」などが散りばめられた作品です。
それらのテーマを扱っているわけですから、ベルイマン作品としては、比較的に王道的な作品だといえるでしょう。
しかし、何故だか本作はあまり良く感じません。
私がそう感じたのは、おそらく本作には刺激が足りないからでしょう。
他のベルイマン作品で見られる様な、精神的に揺さぶりをかけられるといった刺激がないのです。
天才的だが精神病に悩む姉と自由奔放ながら世俗な快楽に身を委ねることしかできない妹。
この姉妹の根深い衝突を描き、そこに双方の愛や憎しみを織り交ぜること自体は、面白い題材なのですが、どうも全体的にトーンが低すぎてだめでした。