3.《ネタバレ》 まあ客観的な視点で評価すれば、3点以下をつける程の駄作ではないが、原作云々以前の問題として、娯楽映画としてかなり「中途半端」な作品である事は間違い無い。
もともと原作自体をほとんど読んだ事が無く、個人的にルパンと言えば、もはや「ルパン三世」にしか馴染みが無い事もあるが、リメイクとは言え、このミステリーとしても、冒険アクションとしても、伝奇ロマンとしても中途半端な脚本構成には失望させられた。
まず飄々とした顔立ちのルパン本人に魅力が無いのが致命的。外見的にはむしろ「ルパン三世」に影響を受けている感じだが、やってる事が大雑把で知性を感じず、とても稀代の天才大泥棒には見えない。
父ルパンも最終的に何をやりたかったのか分からないし、カリオストロ伯爵夫人も悪くはないが、「魔性キャラ」と言うには、「ちょっと怪しいオバさん」程度で、やはり中途半端。どうせ娯楽作品なんだから、「本当に魔術を使っている魔女」というキャラで押した方が良い。
原作が古典という事もあるが、こうした中途半端さは、やはり実写としてあまり突拍子も無い事をさせられないという制約があるからだと思われる。
あのいかにも「売れたら続編を作りますよ」的なラストもすっきりせず、消化不良感を残されただけ。
二時間以上もかけてやっている割には、全体的にダラダラし過ぎで、色々と詰め込みすぎた弊害が出ている。結局、脚本構成がヘタという事。もっとテンポの良さで飽きさせないように気を使わないと。「ルパン」の魅力の何を見せたいのかというテーマを決めて徹底した方が良かった。