1.《ネタバレ》 この作品がまさか今の時代に映画化されるとは思っても見なかった。今や完全な死語となったスケバン(テレビ版の時ですら化石だったのだが)をこの世に蘇らせるとは、さすがデビルマン東映だ。しかも、監督が前回BR2でアラをさらけ出した深作健太だけに、第一種警戒警報を発令しつつ、劇場に行ってみた。
全体を通してみると、ツッコミどころは満載だが、意外と見られるデキだ。特に敵役石川梨華の存在感は大したもの。タランティーノならきっと気に入るだろう。
ただ、ストーリーの酷さはテレビシリーズにも劣る。事件の動機も希薄だし、テレビシリーズにはあった水戸黄門的なカタルシスも感じられない。ベテランの脚本なのに何故・・・。更に、ネット犯罪がベースとはいえ、2ちゃん用語の羅列はいただけない。「電車男」の劣化コピーだ。敵役の頭を演じた窪塚弟も薄味過ぎる。前2作が伊武雅刀・京本政樹を使い、濃い味を出していたのに・・・。長門裕之・竹内力はさすがに画面から出てくるオーラが違っていた。一方斉藤由貴の低いトーンの声には時の流れを感じてしまった。
次回作を匂わせる終わり方だが、この興収では正直つらいだろう。
テレビ東京の木曜洋画でどのような番宣がなされるのか楽しみではあるが。