2.《ネタバレ》 一本の映画、一本の電車の中に3つのストーリーが構成されています。ですが、現実にはあれだけいる人の中で各人が持つドラマやストーリーっていうのはもっともっとあるんでしょうね。日常の何気ない風景の中に、色んなドラマが隠されているんだと改めて認識させてくれた作品。
まずは一つ目の会社顧問の教授の話。う~ん、正直あのくらいの年齢にならないと彼に感情移入するのがとても難しい・・・。家庭も持って、孫にも愛されてって立場になったことがないからなぁ。そういう人がああいう淡い恋心を持つのは、他人事なので、素敵だと思いますが自分の家庭に絡んでくる話と考えたら若干ヒヤヒヤしますね。4点。
二つ目はおばはんの話。あの年齢のおばはんの厚顔無恥なことと言ったら・・・。人のことを散々こき使っておいて、「もう!あんたって本当に使えないわね!!」っていやいや。ああいうおばはんって万国共通なんですね(笑)。普通に日本のJRの話かと思いました。自分至上主義のおばはんが、最後おいてけぼりをくらうのは少しスッキリしましたが、正直足りない。もっと凹ませてやって欲しかった。2点。
三つ目はセルティックファンのスーパー店員3人の話。お国柄がにぎやかなのか、あの3人の会話は聞いてて耳障りでひどいし、マナーっていうのは彼らの頭の単語帳には無いのでしょうか。そして彼らよりひどいのはアルバニアの家族一団。そんなに父親に会いたければもう少しお金溜まるまで頑張ればいいじゃん。お涙頂戴の話で盗みを正当化するわ、「悪いが助けることは出来ない」って言ってる若者三人にさも悲しげにすがるような目線を送るわ。「わかったわ、迷惑かけてごめん」くらい言えないのか。最も許せないのはそこまで経済的にきついといいながら、ちゃっかり生まれたての子どもがいること。計画性が感じられない。ってまぁ、さも日本的な批判なんですけどね。2点。
出てくるキャストには全く感情移入できなかったんですけど、なぜか全体のストーリーには引き込まれる感がありました。やはり冒頭にも書いた、一本の電車の中にこれだけのストーリーが隠されてるんだっていう多様性に魅力を感じたのでしょうか。普段何気なくすれ違う人々の間には本当にたくさんのドラマがあるんだろうなと思わせてくれる、そういう意味で7点を。
うまく割り切れなくなりましたけど、全体でおおよそ4点ということで。