6.《ネタバレ》 どうやら私も“ホラーがちっとも怖くなくなる年齢”に達したらしい。もっと恐ろしいことは実生活でリアルにあるのだ。
で、このスペイン映画である。事前知識が無かったから、「なんだこれはつまりゾンビじゃないか」と気付いた瞬間から興味は急降下。尺は短く、不必要にだらけずに済んでいるのは良しとするも、でも怖くない。ゾンビものは名作がたくさんあるし、数多の趣向を凝らした先達に比べると、新しいアイデアや演出は何も見当たらない。ヒロインは報道の権利をやたら主張する小うるさいマスコミ気取りで、こいつが咬まれようがどうでもいいや、と客に嫌われるキャラクターになっているんだがいいのか。
ぶれぶれの手持ちカメラ映像とわあわあとアパートの上下を走り回るだけの展開。ゾンビの首を落とすべく、刃物的な武器を誰も取りに行かないのが不満。まあ尺が無いか。でもとって付けたような解説部屋もいらないな。
B級ならば、アイデアで勝負というB級ならではの意地があるべきだ。他人のふんどしで相撲を取りっぱなしの本作にはがっかりした。