2.一隻の救命艇に集まった男女達の人間模様を描いた、ヒッチコック監督の密室劇。
救命艇は小さなボートなので、さすがに十人近くもいるとお話が広がらず、中ダレぎみ状態。
それ以前に人間ドラマなのか、極限状態の人間心理を描きたかったのか、
互いの素性が不明という面での心理サスペンスに持っていきたかったのか、
全て中途半端で内容がぼんやりしてしまった。無名の役者たちの演技は悪くはないのだが、
結局誰にも感情移入ができず、各キャラの印象も薄い。アイデアはとてもいいんだけど、
同監督の「ロープ」と同様、あくまで実験的といった印象の作品。