11.《ネタバレ》 無人島が舞台で、しかも男達の中に女性が一人だけ、これは絶対に面白いはず! と期待して観た品なのですが……
「面白くなかった」「期待外れだった」とまでは言わないけれど、物足りないものがありました。
元ネタであろうアナタハン事件に比べると「女を巡って男達が殺し合いする」という殺伐さもあまり感じられず、どこかノンビリした空気が全編に渡って漂っているんですよね。
それが心地良い、お気楽漂流ものとして楽しめる、という側面もあるのでしょうが、自分としては肩透かし。
主人公となる女性が「サバイバル」していると感じさせる場面が、冒頭で蛇を捕まえる部分くらいしかなかったのも残念でした。
ラスト、島を脱出するのを諦めた男達が「王子」を崇めて、平和に暮らしている姿なんかは、皮肉が利いていて良かったですね。
これはこれで一つの幸せの形なのだなぁ、と思わされたりもしました。
それに対し、脱出に成功した主人公の女性は、窪塚洋介演じるワタナベと結ばれた……のかな?
だとしたら、何とも少女漫画的な顛末。
「口が悪くて何かと自分に突っかかってくるけど、本当は自分の事が好きだったイケメン」だなんて、如何にもといった感じですからね。
女性として感情移入して観たら、また違った感想になるかも。
ハッピーエンドという意味では文句の付けどころが無いし、観客が求めるものに応えようとした映画ではあった、と思います。