3.《ネタバレ》 前半は不倫ロマンス、後半は特殊部隊戦争アクション、まさに驚異のハイブリッド・ムーヴィーで、こんな映画はピーター・ハイアムズじゃなきゃ撮れません(笑)。脚本がまた突飛なほどのご都合主義、とくに後半は唖然・呆然の連打でここまでくるとなんか愉しくなっちゃいます。寝取られ夫と間男が同じ爆撃機に乗り合わせて二人だけ生き残るってのは、まあ目をつぶりましょう。でも三歩歩いただけで捻挫しちゃう、捻挫してるくせにけっこう走ったりする、そして極めつけはどう見たって二発は背中に機関銃弾が命中してるのに死なずに帰還できちゃう、もう“不死身の男 クリストファー・プラマー”と呼ぶしかないでしょう(笑)。こんな理想的な夫としか言いようがないプラマーの妻レスリー・アン・ダウンがハリソン・フォードごときと出会ったとたんに不倫に走っちゃう、こんな女に誰が感情移入できるでしょうか。せめて病院の廊下で二人が出くわすラストシーンは『第三の男』みたいになにも言葉を交わさずにすれ違うだけ、というような余韻が残るような脚本にしていたら少しはピーター・ハイアムズを観直したかもしれません。ジョン・バリーの音楽が『ある日どこかで』を思い出させてくれたので、プラス一点です。