1.《ネタバレ》 内容以前に映画としてどうかという疑問が残る映画だった。それはカンボジアでのシーンについてだが、主人公達がカンボジアを訪れると、急にそこからドキュメンタリータッチになる。さて、これのどこが問題かというと、この映画は実話をもとにした原作ということなのだから、ドキュメンタリーでもありではある。しかし、それは、この実話の本人達であればだが、この役者達がドキュメンタリー映画をしても何の意味もなく、ものすごく不自然で違和感を感じる。所詮彼らは役者として演技をしているのだから、いわゆるテレビ番組ならやらせみたいな感じになるわけである。現地の人たちも役者を使っているのなら、もっときちんと日本語を話して映画として観客に言葉が通じる役者にしてちゃんと映画として成立するものにしてほしいのだが、たどたどしい日本語で何を言っているのか正直よく分からない場面もあった。彼らは役者じゃないというなら、やらせだし、役者だというならもっと映画として成り立つ人選にしてくれというところである。なので、HIVの患者だったという女性が亡くなっても映画か現実かよく分かららず、正直しらけてしまった。このカンボジアのシーンにリアリティを出すための演出としているのなら、この監督はあまりにも才能がない。こんな陳腐なドキュメンタリー調にしなくても、充分カンボジアの現実を伝える演出ができたはずである。
それ以外の内容は悪くないだけに残念だった。