5.《ネタバレ》 くどいようだが、私は「愛し合うべきだったのだ」などとは思ってはいない。思ってはいないが、よしんばそう思っている者がこれを作ったというのなら、これは相当おかしな事ではないか?
彼らはいつ、愛し合おうとしたのだろう?帝国側はまあ、しょうがないが、地球側もヤマトもいつ和平を交渉したのだろう?正体の知れぬ異星の少女の言うまま、最初から彗星を破壊するつもりだったではないか。
そして、この映画には感動どころと言うものが無い。いや、無くはないのだが、登場人物が次々と死ぬところという、嫌悪すべき方法論だ。アメリカ映画がよく描くように、「何が何でも前向きに生きのび」ろとは言わないが、これだけ自己犠牲や任務のための死で泣かせようとする姿勢は、素材が素材だけに、また前述の物語の基本姿勢と照らしても、おかしいだろ、と言わざるを得ない。
それ以外はほとんど戦闘シーンの連続で、見ていてとても疲れてしまう。
ヤマトを出航させる理由などを見てもただの感傷にしか見えず、前述の泣かせどころと言い、「ヤマトファンの気持ち」に最大限よりかかった物語で、恐らく(めったにいないとは思うが)ファンでない人が初めて見ると、ポカーン状態だろう。
一つだけ、この映画が自分に教えてくれたのは、引き際と言うのは大事な事なのだ、という事かもしれない。