1.《ネタバレ》 「記憶」を可視化して辿る技術というキーアイテム以外にも、悲観的近未来の世界観をも取り入れたそこそこ大掛かりなSFなのですが、そこでやりたいコトとゆーのはごくシンプルなサスペンスのお話で、その面の質感はどちらかと言えばちょっと古めかしいハードボイルド系、という様にも見えます。キャストからしてそんな感じの分かり易いナイスミドル+少し古風な正統派美人、だと言っても好いでしょうし。
ただ、そのサスペンスとしてのお話は結論的にはこれまた非常に在り来りと言える様な内容で、当然その捜査の段階では参考人の記憶を辿るという新規要素が含まれますが、それとてその一辺倒なのでスグに目新しさは失われますし、あと何でしょう?ちょっと展開運びの効率が好すぎるとゆーか、出てくるモノ・人の全てが手掛かりで、それらが異常にテキパキと繋がっていってしまうので謎が謎に為る前に解けていってしまう、という様な白けた感覚がありましたね。疑念を胸に生じてモヤモヤする感じとか、ひとつ手掛かりがリンクしたことの心地好さの余韻とか、サスペンスってそーいうの結構大事だと思うのですけどね。
後は細かい部分の出来映えなのですが…「記憶を辿る」というテーマ面ではメイの最期のシーンがひとつ最大のアイデアなのでしょうし、ソコはそれなりに好いシーンだったとも思います。しかし、そこ以降のオーラスの展開運びはエラい適当&チンプンカンプン&(これも)余韻の感じられないしょーも無い有様で、正直相当にガッカリしましたですね。他、アクションシーンもあんな中途半端なモノをこれ見よがしに放り込むくらいなら、前述どおりサスペンスとしての「遊び」を入れて間を取った方が好かったのではないでしょーか?
そして長くなるので割愛しますが、SFとしても突っ込みドコロはまたかなり多いという…なんつーか、どーにも完成度が低いとゆーか、そもそも目指していたゴール自体がちょっと低い位置にあった、という様な感じすら受けますのよね。駄作かと。