1.《ネタバレ》 人間の少年の姿をした宇宙人がやってきたことによって、コルホーズ(集団農場)に巻き起こる騒動を、牧歌的コメディタッチで描いています。作品内のナレーションで、本作品はスピルバーグの「E.T.」に対する返歌であるようなことが語られれています。舞台がウズベキスタンのコルホーズであるということは貴重だと思いますが、それ以外は、取り立てて新味を感じません。牧歌的なわかりやすい笑いなので、ちょっとあざとさを感じてしまう部分もあります。現代に深く切り込むような目的をさらさら持たないスタンスは良いとして、さりとてハリウッド作品ほどの一般娯楽性があるわけでもなく、製作原資の出所や視聴ターゲット、興行状況等、要は誰が何のために作ったのかという情報も不足していて、ちょっとモヤモヤします。コルホーズ、ソフホーズは、中学の歴史教科書内ではゴシック体になっていて、テストに出るので言葉としては覚えた記憶があります。こうして農村の映像を見ると、暗記しただけで実体とのヒモ付けがなされていなかった言葉に、多少なりともイメージが肉付けされたような気がします。