2.天才と何とかは紙一重。天才はパンピー(死語?)の浅はかな倫理観に縛られてはいけないし、だから普通では到達できない高みに登ることが出来る。本能に身を任せて生きるエキセントリックな美女も、自らのリビドーに盲従して創作を極めようとする男も、同じ様にある種の天才。しかし、本作の主人公は一体どの天才なのか? 「およう」ってタイトルな訳だから兼代だとは思うんですけど、それにしては彼女の内面には全く踏み込んで行かない。いっそ「いいひと」の晴雨を物語から外し、理解不能同士のぶつかり合いから天才の内面に迫っていけば面白かったと思います、4点献上。