1.《ネタバレ》 さすがに古臭さはあるけど、2005年度版の「妖怪大戦争」に比べれば、娯楽映画としてはこちらの方がまだ見られる。40年近くも前の制作年代からすれば、「西洋の妖怪が日本の妖怪と対決する」という発想は素晴らしく斬新。
また、妖怪を敵対するものでなく、我々の日常のすぐ傍に棲む隣人として受け入れる、日本特有の民俗学的なユーモラスな妖怪観も出ている。
ただ仕方ないとは言え、さすがに特撮や演出全般のショボさはいかんともし難い。手作りの良さは出てるけど、今見るにはキツい。特に戦闘シーンの迫力の無さ、演出面のチープさは痛い。
最後の決戦のシーンも、本来は凄まじい死闘のはずなのに、妙に静かで迫力不足。それにぜんぜん妖怪たちの特殊能力を戦闘で活かせてないのがもったいない。ダイモンも単に分身するか巨大化するかしかしていないのも物足りない。
また、巨大化したダイモンの目の前に唐傘お化けに掴まってゆっくり浮かんで行くシーンなんかも、どうしてダイモンは何も反撃しないのか意味不明。じーっと見てるだけで、そのまま弱点の目を突かれてあっけなく終了ってのは、戦闘中という事を考えれば、いくら何でも不自然すぎるでしょ(笑)。肝心のクライマックスが一番盛り上がりに欠けている。さすがにこの辺のアクションシーンにおける演出センスの未熟さは時代を感じる。
今、娯楽映画としてリメイクするなら、敵キャラもダイモンだけじゃなく、バビロニアの古代妖魔とか、ダイモンの上位に位置する魔人なんかを出して、日本の妖怪たちと「特殊能力」で戦わせるくらいの事はやらないとね。
申し訳ないけど、製作年代を考慮しても今見ると点数的にはこの辺が限界です。