5.《ネタバレ》 ・『the messenger』~ダメだ、この監督。相変わらず、どこかで見たようなストーリー設定や演出にキャラ造形のオンパレード。全てが「借り物」の域を出ていない同人作品。ちょっと漫画やアニメを見ている人なら、素人でも作れるレベル。「短編」にも関わらず「長編っぽい」作り方を平気でやっている所に、この監督のセンスの無さが窺える。ビジュアルに気を使っているだけ。0点。
・『けん玉』~コメディとドラマのバランスが絶妙でテンポも良い作品。ほんわかした中にも、男女の恋愛感情の性差が鋭く描かれている。篠原涼子の自然な可愛らしさが出ていて、女優としてのレベルが意外に高いのが分かる。短編ゆえの傑作。8点。
・『コールドスリープ』~ありがちなSF的設定をコメディタッチに仕上げたのは目新しいが、「笑い」と「真面目さ」の配分が中途半端なので、本来は突っ込まなくてもいい所を突っ込みたくなる。コメディというよりブラックユーモア作品。4点。
・『Pandora ~Hong Kong Leg』~フェチズムに対する拘りが中途半端なので何が言いたいのか意味不明。全体的にテンポも悪い。1点。
・『HIJIKI』~SABU監督のような世界観。現実と非現実の微妙な境界世界を象徴するかのような黄昏迫るアパートの一室で繰り広げられる、これまたコメディともサスペンスともつかない不条理ドラマ。撃たれて終わりというラストも安易。4点。
・『JUSTICE』~「ブルマを愛でるくらいの余裕があれば世界も平和」というテーマがひしひしと伝わる(笑)。しかしブルマ以外の魅力は皆無。ブルマ復活を願って、5点。
・『ARITA』~広末涼子のARITAを受け入れつつも困惑しているような独白がちょっと可愛い。ただ、さすがに何の謎解きも解釈も無いまま終わらせるのは手抜き。5点。
・・・という訳で、平均してしまうと4点くらい。どの作品もちょっと思いついた小ネタに肉付けした程度で、『けん玉』以外、これといった作品が無かった。まあ不遜を承知で言わせてもらえば、現在、第一線で活躍しているであろう気鋭の若手が揃って、この程度の作品しか作れないと言うのだから失笑を禁じ得ない。せっかく映画を作れるという稀有な立場にいるんだから、もっと精進せんかい!