1.無分別や無目的を描くのが全共闘後の青春映画の特徴ですけど、本作も私には当時から地味でつまらない映画としか思えないし、そこに共感もありません(どーしょーもない田舎の馬鹿ガキ共と「短歌」と呼ばれる院生に、寺山修司の共感は込められてる様な気もしますが…)。同じ「無」でも、こういった映画のガキ共は「無知能」と呼んだ方が良い。大人の能書きに対する感想をいちいちナレーションで入れるのも余り頭の良い方法とは思えないし、少年院の描写からもリアルさは伝わってきませんでした。こういう陰気で地味な映画が持てはやされた所為で、70年代頃から邦画の衰退が進んだとも感じます。それにしても、21世紀の少年犯罪の前では本作は凄く陳腐に見えてしまう。恐ろしい時代になったもんです…、4点献上。